2005年06月08日

オリジナル盤という悪魔

今日はこのブログを立ち上げた本題でもある、「オリジナル盤」についての魅力について書きたいと思う。

オリジナル盤と聞いても、まっとうに普通に生活をしている善良な市民には何のことやら1ミクロンも分からないと思うのでちょっとだけ説明。

かなり昔のアーティスト達が吹き込んだLPレコードの最初(の頃)に発売されたブツを、今、「オリジナル盤」と呼んで、崇め奉る人種がいるのだ。

廃盤専門のレコードショップのセールには、人生を捨て切ったオヤジが開店前から「新台入れ替えの朝のパチンコ屋」の店頭と全く同じ様に「だらだら」並んでいる。(双方とも、生気の無い眼をしているのが特徴)

V.J.もその列に加わる事が多々あるんだけど、かなり、人生を間違えた気になる…

パチンコは「働かないで金を得るために、朝から仕事もしないで、雨が降ろうと、出勤途中のOLさんに、ばっちぃ眼で見られても、黙々と並ぶ」人々であり、オリ盤ゲッターは「働いた金を、世間様からみたら1ミリも価値の無いものに大枚を叩くために、黙々と並ぶ」人々であったりする。

冷静に考えると、パチは並んで金が得られるだけ健全な気がするのだが…
黒々と艶のあるVynilをこの手にする悦び
を知ってしまうと、これがまた抜け出せんのですよ、ダンナ。
(完全に変態&ネガティブ表現の嵐です)


今や大抵、欲しいアーティストの作品はCDで買えます。
CDでは音が悪いという、オーディオマニア向けに、SACD(スーパー・オーディオ・CD)やDVD-Audioなる新たなフォーマットも出現しています。

で、なぜ、LPレコード。それも再発盤ではなくて、オリジナル盤なんでしょうか?

音がいい
に決まっているぢゃないですか!

最新のJ-POPとかのCDはおいといて、昔のROCKでもJAZZでもいいけど、「名盤」と呼ばれるCDを買った事のある人は、すぐに、CDのジャケットを裏返して、帯とかに以下の文章が書いてあると思うので、CDラックにダッシュして確認してみて下さい。

「この音源はオリジナルマスターテープに起因するノイズ等がありますがご了承下さい」
(by BluenoteのCD)
「この作品は経年によりお聞き苦しい部分がございます。あらかじめご了承下さい」
(by The Whoの名作TommyのSACD)

おいおい、最初から、不良品売ってるのかよ?

そうなんです!
昔の名盤は(StonesでもBeatlesでもBill Evansでもジミヘンでもツェッペリンでもみーんな)ある意味、デジタルメディアであるCDでも不良品みてぇなもんなんですよ!

昔は今のように、ハードディスクにデジタルレコーディングなんて事は不可能だった訳です。
で、磁気テープ(カセットテープのでかいのと考えてください)にまず、アーーティストの演奏を記録します。

この磁気テープは、ジェラルミンの様なケースに入れて倉庫かなんかに保管されます。これが、保管状態が悪いと、10年やそこらで、ワカメの様に伸びたり、ホコリが付着したりとどんどん「劣化」が進むのです。

この磁気テープが「オリジナル・マスター・テープ」なんだから、そいつがよれたり痛んだりしたら、そこに録音している音楽もよれたりするのは当然です。
いくらデジタル技術が進化しても、そういう音の「よれ」を修復するのは困難だったりします。

そこで、オリジナル盤の出番なのです!
アーティストが録音したてのマスターテープから起こしたレコードは、最もアーティストが録音した状態に近い音が刻まれている。と言えます。

でも、30年も40年も前の塩化ビニールの円盤ですから、当然傷がついたり、LPレコードの溝が傷んだりしてしまっているものが多いのも事実です。

でもでも、何かの拍子でキレイに保管されていたLPレコードも少なからず存在する訳でして、こういうレコードが今、アーティストのその当時の録音した音を最も「生々しく」記録している事になるのですよ!(テープじゃないから、よれたりしないしね。)

更に、LPレコードを作る過程は、複雑で、オリジナルマスターテープをカッティング(音溝を掘る)して、そのカッティングされた盤にメッキで複製を取ると、掘られた音溝が逆に凸として浮かび上がったメッキ盤(要は金型みたいなもの)が出来上がるのです。

この金型(スタンパーと呼びますが)を利用して、溝の掘っていないまだできたてほやほやのやわい塩化ビニールの円盤に、数トンの力でプレスをかけると、LPレコードが出来上がります。

当然、何百、何千とプレスをして行けば、金型のほうが今度は削れて来る訳で、また、金型を作り直したりするのです。

これも当然、金型を作り直すためには、マスターのテープを回すことになるのですが、そのときは、もう、マスターテープの劣化は場合によっては始まっていたりするのです。

こうして、何枚も何枚もプレスされ、金型を作り直せば直す回数分、元の音は劣化して行くのです。

具体的には、楽器やボーカルの声が霧がかかったように、鮮明でなくなるとか、色々あるのですが、最初にカッティングされた金型から起こした、プレスの初期のレコードを聞くと、、、

え、同じ音楽?

と思う程、鮮烈で、激しい音が刻まれていたりするのですよ!

当然、枚数は少ない
キレイなまま残っている可能性も少ない

とくりゃ、若くてキレイなのをGetしたいのが人情、否、オトコの性ではないでせうか!

当然、若くてキレイなのをGetしたいなら、金がかかるのは古今東西、自明の理なのです。

昔、3流雑誌の週間宝石で処女探しという、バカ企画がありましたが・・・

どうやったら、その若くてキレイなブツを見分けるの?
というところから、
コレクター地獄
が始まるのです・・・

オリ盤見分け方(レーベル記載内容で年代を特定やら、マトリクスナンバーの読み方など)や、個々の音の感想はまた、おいおい

でも、本当に状態の良いオリジナル盤を一度聞いてしまうと、

CDなんて聞けねぇよ!

と言う事になってしまいます。マジで。

BGM:Led Zeppelin 1st. / UK ATLANTIC Org.LP 588 171 STEREO

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posted by V.J. at 01:17| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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