今年一本目の記事になります。
本年も宜しくお願い致します。
Wilko Johnsonが東京で一夜限りのお忍び?ライブを行うとの情報を得た。
バックはどうもシナロケのメンバーが付けるらしい。他にもゲスト(その時アナウンスのあったのは、元Street SlidersのB. Jamesだ)が出演するとの事。
場所は、ロックバーのレッドシューズ。
当然、すぐに押さえたのですが、何となく違和感と言うか嫌な予感がした。てのがその時の正直な所。
なんでお忍び?
ノーマンは来ないんだ…??
マコちゃんに呼ばれた???
そして、ライブ前日に…
彼が末期の膵臓がんである事。
今後、化学療法は行わない事。
帰国後、フランス、イギリスで、Farewell Tourを行う事。
等が発表された…
特別な1夜になっちまった…
V.J.は、Twitterでは、@wikeith と名乗って、Paul Wellerのアイコンを使っている。
俺の中では
Keith Rechards
Wilko Johnson
Paul Weller
この3人が、俺の音楽的要素のほぼ全てと言っても良い。
本当に本当に大好きなんだ。
Wilkoは、Great Guitarist Huntingの際、StonesのG.の面接を受けている。
Wellerは、自身のジャケット(Our Favorite Shop)の中で、Dr.FeelgoodのDown by the Jettyを飾っている。今でも、テレキャスをかき鳴らすWellerのG.はWilko直系だ。
全てが1本の線で繋がっている。
そのど真ん中にいるのが、いつだって、Wilkoのマシンガン・ギターだった。
今は死んじゃったけど、昔、パグを飼っていた。俺はそいつに、Wilkoと名付けた。
子供の頃のちょろちょろした動きが、Wilkoのステージアクションにそっくりだったから。
今、飼っている犬には、Leeと名付けた。
やっぱり、Wilkoの相棒はLeeしかいないからね☆
そんなWilkoが、末期がんを告白した上で、日本のファンにもう一度会いに来てくれる…
過去のライブが走馬灯の様に頭を駆け巡り、前日は一睡も出来なかった。
急に冷え込んだ当日、開場の20時を目指し、Red Shoesへと足を運んだ。
そこは、チケットを求めるファン達で既に長蛇の列、列、列。
急遽、入れないみんなの為に、場外にモニターを設置し、中の様子を伝えている。
開演前から、只ならぬ雰囲気の中、会場へと歩を進める。
Red Shoesは、ライブハウスでも何でも無い。まぁ、ライブは出来るけど、基本、ロックバーだ。
由緒正しいロック王道のバーではあるけど、さすがに狭い…
キャパとしては100も入れば良いトコだろうが、どう見ても200や250は入ってる。
立錐の余地も無い。
とはこの事だ…
静かにステージを待つ。
人波を掻き分けて、鮎川が、ベンジャミン・テホヴァルを伴いまずはステージへ。
Wilkoの盟友、前回の来日でも前座を務めた彼が、ステージを暖める。
バスドラ、ハイハットを右足で操作し、左足はエレクトーンのベース?足でベース音を刻みながら、ハープ&ギターを弾き、ブルーズを歌う。
一人オーケストラだ。まさに、DUSTER BENNETT直系のいかにも欧州のストリートブルーズマン。
DylanやECでも有名なサンフランシスコ・ベイ・ブルース等肩の力の抜けたGood Musicを奏でている。
最後に、Wilkoに捧ぐって言って、Like A Rolling Stoneを演奏し、和やかなムードでバトンを引き継ぐ。
川島、奈良のシナロケのオリジナルリズム隊がまずステージへ。
バックに流れている、R&R クラッシックに合わせてビートを刻みながらスタンバイを行う。
その頃には、会場も熱気で溢れ、押すな押すなの状態…
既にステージ上の2人もびっくりした様な困った様な顔をしながらセッティングを行っている。
段差も柵も何も無いステージがヤバくなり始め、開演が伸びる…
まぁ、仕方ねぇよな…
でも、MCの「ロックンロール・マナーを守ってくれ。」とのお願いでなんとか、1歩、2歩下がる事が出来た。
そして
いよいよ
人波を掻き分け、マコちゃん、シーナ、Wilkoが登場!
会場も最高潮にヒートアップ!!
Wilkoは、心なしかちょっとヤツレタ?って気がしないでも無いけど、腹も出てて、がっちりとした体格は最近のWilkoのまんま(笑)
ステージ奥に並んで置いてある、いつもの赤いピックガードのテレキャスと、ボロボロに塗装の剥げた黒いレスポールをそれぞれが抱え、いつものロックンロールがスタートする。
何気にほぼ最前列に近い場所で見る事が出来たV.J.は、Wilko、鮎川が1mも無い距離でギターをかきむしっている姿に眩暈を覚えつつも、開始までに抱えていた、センチメンタルなキモチは、全てWilkoのカッティングと甲高い声にかき消されて行き、ただただ、ヤツらが繰り出すビートと、後ろからの会場のプレッシャーと闘い続けていた(笑)
シーナのFUJIYAMA MAMA が多分、1回目のピーク
久々に、正直死ぬかと思った位の圧が…(笑)
でも、そんなもんじゃなかなかった。
この後、怒涛のゲストが…
まず、ルースターズの花田が登場。
相変わらず、クールでカッコイイ(笑)
Wilkoの泥臭さとはちょっと異質だけど、二人が並んでギターを弾く姿なんて当然初めて見た。
マコちゃんと3人で並んで、リトル・クイニーを歌い弾く姿...ちょっとどうしよ。てな位に絵になる。
そんなこんなで、花田はそのままステージに残り、続いて、Birthdayのチバが呼ばれた。
俺は、Thee Michelle Gun Elephantってバンドがダイキライだった。
歳も殆ど近くて、聴いて来た音楽も一緒。
ヤツラが、Dr. Feelgoodのスポークスマン気取りで、ここそこで取り上げた事で、Feelgood、Wilkoを知った世代も多いと思う。
当時付き合っていた娘がミッシェルガンのファンで、一度だけライブに行った事があるが、その時、チバはよれよれの白いスーツを着てステージに立っていた。そう、Leeのマネだ(笑)
もうね、そんな、近親憎悪の塊の様なミッシェルガンも今は無い。
相棒のアベに先立たれ、今でもBirthdayでサヴァイブしている今のチバにはもう、憎悪も無い(笑)
シナロケ、ルースターズの次の世代のFeelgoodのDNAの代表株だもんな…
そんなチバは、Wilkoのカッティングをバックにハープをかきならしながら、StonesのDo The Boogieを歌う。Stonesの、つーか、花田のG.でこれを歌う。って事も恐ろしくDouble Meaningな選曲だ…
相変わらず、ヤルな、チバ(笑)←まだ、なんかわだかまってる風(爆)
その後、Walking The Dogを歌うんだけど、サビ以外の歌詞が分かんなくて、ステージにアンチョコの紙が置いてあってさ、それ見ながら歌うために、床にうずくまっての歌唱(失笑)
まぁまぁ、微笑ましい。て事で
んで、続いては、Privatesの延原が登場。
大学の学祭で見て以来だよ!
結構、白髪も目立ち歳取った…
そりゃそうだよな、こないだWellerの前座で出てたOKAMOTO'Sのドラムスだっけ?延原の息子だもんな…
そんなヤツも、どす黒いハープを吹きながら、I'm A KING BEEを歌う。
ほぼ全曲、Feelgoodの歌か、R&Rクラッシック(Stonesのカバーした曲が圧倒的に多い!)
でライブが進められてゆく。こんなまさにパブロックな場に、これ程似合う選曲は無いだろう♪
カラダは揺れ続けてる。
途中、まぁいいか…SMASH日高がステージに上がり、余命10ヶ月とか口走りやがったりしやがって、かなりムカついたりもした…
もし、今年の夏、Wilkoに体力が残っていたらFRFに呼べよ!オオトリ取らせるくれぇの事しろよ!なんて思っちゃったりしながらも、スライダーズのJAMESがステージに。
ステージ上でWilkoと抱き合っている…(涙)
何年前だ?
パイレーツとWilkoが対バンした時、ハリーと2人連れ添って、ライブを観に来ていたJAMES
当然ながら、Wilkoが大好きなんだね☆
一言も発しない&B.が聞き取れる様な状況じゃないけど、ルート66を弾く達者な指さばきをこの目に焼き付けつつ、ハゲ2人の競演を楽しむ。
そんなこんなしているうちに、自分の脇をちょろちょろと通り過ぎてステージに向かうチッチャイ影(笑)
ベンジーがいつの間にか?って感じで、寡黙に、G.を弾いている。
このステージ上に
シーナ&ザ・ロケッツ
ルースターズ
ストリート・スライダーズ
ミッシェル・ガン・エレファント
ブランキー・ジェット・シティ
の面々が一同に介している事になる…
凄い事なんだろうけどさ。
本心を言うと、もしも、本当にこれが最期のWilkoのG.を聴く機会だったとしたら。
思いたくないが、末期がんで化学療法を拒否しているWilkoだ...余程のミラクルが無い限り、難しい事は理解している。
ならね、
やっぱりね、
Wilkoのギターだけを、全身に浴びたかった…
と言うのが正直な気持ち。
でも、こんな遠くの島国日本で、Dr.FeelgoodのWilko Johnsonがザクザクと空間を切り裂いて来たギターから、まきちらかされたDNAが、何世代に渡って花開き、実を結んでいる。
ステージに立つ、ビッグ・ネーム全てが穏やかな笑顔で、Wilkoとの邂逅を楽しみ、慈しんでいる。
Wilkoも終始笑顔でそれに応えている。
それでいいじゃないか。
一度、人波をかきわけてはけてから、アンコールに出て来たWilkoは自らガンだと告げ、もう日本には来れない。そんな発言をした後、Bye Bye Johnnyを演奏した…
いつもの、Wilkoのアンコール曲だ。
Bye Byeの掛け合いで手を振るトコも一緒だ。
Goodbye Johnny Goodbye Johnny B Good
Goodbye Wilkoって…
最期の最期で涙が止まらなくなっちまった。
まぁいい。
潔くR&Rし続ける事を選んだWilkoに感謝している。
俺もガキの頃、アンタのマシンガンギターから放たれるDNAにヤラレテしまったヤツの1人だよ。
ロックンロールは死なないよ。
本当にありがとう。
最高の1夜になった。
アンタに出会えて、本当に本当に嬉しかったよ。
ラベル:LIVE観戦記 WILKO JOHNSON
ton-gooです。
レポ、ありがとうございました!
抗がん剤投与でギターが早々に弾けなくなる代わりに少々余命が伸びることよりも、限られた残りの時間の中でめいいっぱいギターを弾くことを選んだことに、、、もう言葉がありません。
なんとウィルコ・ジョンソンが大病におかされていたとは…。
モノクローム・セットのビドも生死をさまよっていましたが、奇跡と言える復活を遂げて2度も来日してますね。
化学療法は行わないとのことですが、ウィルコの信じる道で救われることを願いばかりです。
それでは、本年もよろしくお願いします。
コメントありがとう!
お返事遅れてすみませんでした。
>限られた残りの時間の中でめいいっぱいギターを弾くことを選んだ
本当に、真のロック魂を感じました...
こんなヤツを好きでいて良かった。
本当にそうおもえる大切なArtistです。
あけましておめでとう!今年もにょろしく♪
>大病におかされていたとは…。
本文でもちょっと書きましたが、お忍びのライブってだけで、ちょっと???だったんだけど、まさかこんな事だとは…絶句してしまいました(涙)
>ウィルコの信じる道で救われることを願いばかりです
彼は、救われない事を選ぶ事で、彼自身救われているんだと思います…
Wilkoが自ら選んだ事だから仕方無い…
本当にオシドリ夫婦だったと言う奥さんの元に行きたいのかもね(涙)