ただでさえ狭いバウスシアターの中で、スタジアムクラスの巨大ツアーを行ったStonesのLiveを爆音で。と言う、実は非常にミスマッチな企画(笑)ライヴハウスで、ホールの音響を体感するってどんなん???
てな感じもしないでもないのですが、やはりそれはそれ。82年に上映になった、この映画が、V.J.にとっての、「リアルタイムで動くStones」との最初の出会いなのです。
で、爆音で、久々に観たLet's Spend The Night Togetherは、Keithのテレキャスのジャリジャリした音や、ただボーボー鳴ってるだけのB.ワイマンのBassや、ハットを外すC.ワッツのDs.や、やっぱり今観てもキモイ、ミックのセクシー過ぎるダンス等々が洪水の様に、脳幹直結で注ぎ込まれて行く訳なんだけど、実は一番印象に残ったのは、全編で弾きまくる、スチュの元気な姿だったりするんだよね。
Stonesファンなら知らないヤツはいないと思うけど、簡単にご説明(笑)
IAN STEWART(イアン・スチュワート)は、元々Stonesのオリジナルメンバーのピアニスト。デビュー時に、マネージャーのA.オールダムに、「スチュは顔がブサイクだから」と言う理不尽極まり無い理由でメンバーを外され、Stonesのローディに。
とは言え、StonesのKey.の位置はその後もスチュが勤め「第六のStones」と呼ばれていた。
ただ、ブルーズ・ブギ一筋の人なので、Stonesの非Blues的な時代は、一切P.は弾いて無い(サタニックスとかからは、N.ホプキンスだし、HipなSoulの時代は、B.プレストンだし…)頑固オヤジ。
Stonesが所有する、車載スタジオ"mobile unit" の管理も担当し、貸し出される際に同行し、ついでに客演なんてのも多数。(Led ZeppelineのRock'n RollのP.はスチュ。フィジカル・グラフィティには、Boogie with Stu なんて曲まである)
81年のツアー(本映画)では、元Small FacesのI.マクレガンのKeyと、スチュのP.の2頭体制で鍵盤を担当。全編を通じて元気に弾きまくる姿と音を聴かせてくれる。
夜をぶっとばせでは、スチュの独壇場とも言う位、弾きまくってくれている♪
その模様は、映画だけでなく、Live盤としても記録されている。

(Still Life / UK RSR ORIGINAL)
映画のクライマックスは、Time Is On My Sideだ。
過去のメンバー(B.ジョーンズ、M.テイラー)を含む、各メンバーの昔と今がフラッシュバックしながら歌われて行く。
でも、やっぱ、スチュはその中には映らないんだよなぁ…
なーんて思いつつも、じーんとしてしまう。

(Time Is On My Side / Going to A GoGo / UK RSR ORIGINAL)
で、I.スチュワートは、その後、85年に心臓発作で他界…
水と油の様なMickとKeithを繋ぎとめていたのも、スチュがいたから。なんて言われてる。
1989年、ロックの殿堂入り授賞式においてミック・ジャガーは、ストーンズ成功の功労者としてブライアン・ジョーンズとスチュワートの名を挙げた。ミックは「スチュのおかげでストーンズはブルースの道を踏み外さずにすんだ」と語っている。
そんなスチュを偲んで、Stonesは当時のアルバム、Dirty WorkのB面の最後に、シークレット・トラックとして、スタジオの片隅で背中を丸めて、ブギを弾いている瞬間を捉えたピアノの短いソロを挿入している。

(Dirty Work / UK RSR ORIGINAL)
スチュの死後は、Stonesファンなら知ってのとおり、暗黒時代に突入。
やっぱり、MickとKeithを繋ぎとめていたのはスチュだったと言う事を実証するかの様に、Mickのソロ活動。Keith激怒〜エクスペンシブ・ワイノーズ結成〜ソロと、いよいよ本当に解散か?ってトコまで追い込まれる…
ま、そこは、ビジネスマンで大人なMickと、「職業Rolling Stones」って覚悟を決めたKeithなんで、なんとか今に至るんだけど。。。やっぱ、改めてスチュの偉大さ。みたいなもんを感じざるを得ないんだよ。。。
そんな、I.スチュワートは、徹底して、サイドメンに徹してその生涯を終えたんだけど、やっぱ、スチュと言えばこれ。

(Rocket 88 / UK ATLANTIC ORIGINAL)
スチュのプロデュースによる全編ブギウギ〜ジャンプ・ブルーズな1枚。
C.ワッツ、J.ブルース等錚々たるメンバーが名を連ねる中、スチュはプロデュースを。
実際の演奏は、ここでも控えめでB面2曲目だけしか聴けない。
どんだけ、俺俺詐欺しかいないStonesの中で、慎ましいんだ!スチュよ!
そんなスチュの人柄を偲んでか、スチュへのトリビュートアルバムが、ちょっと前に発売になった(はぁはぁ…やっとここまでたどり着いたよ)
Ben Watersなんてヤツは、ここに正直に告白します。1ミクロンも知りません(笑)
しかし! この、スチュのトリビュートアルバムに、Stonesのメンバーが全面的に参加しているのです。あろうことか、B.ワイマンまで参加して、オリジナル・ストーンズで、Dylanのカバーまでやってたりします(笑)
最早、これは、Stonesのニュー・アルバムとしてしか聴けません♪

(Boogie 4 STU / Ben Waters)
V.J.としては、当然、VINYLで持っておかねばいかん1枚です。
でもね…
今、STONESは、Dirty Work後の危機に近いヤバイ状況なんです。
プロモーターだかなんだかともめて、ツアーに出れない状況。
またしても、Mickがソロアルバム作りに精を出す模様。
嫌がらせの様に、何を今更?のKeitはソロベスト盤なんか出しちゃったりしてる...

(Keith Rechards / Vintage Winos)
ベスト盤だから、ヴィンテージのワイン飲み(笑)
RED WAXと凝ってます。
別にそこまでねぇ…(苦笑)
笑ってらんないです。まさに、Dirty Work以降の危機と状況は同じなんです。
そんな時だからこそ、Ben氏のスチュトリビュートアルバムが、またも、ばらばらになりそうなStonesを結びつけてくれている。って言う奇跡。
スチュ、ありがとう♪
ブギウギに乾杯だぜ!
このクソ熱い熱帯夜も、スチュのブギーでぶっとばすぜ!
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( この世には確実なことがたったふたつあると昔から言われてきた。死、それに税金だ。それに3つ目を加えるならば、ローリング・ストーンズのライヴ盤は3年おきにリリースされるという事実。明らかに出来不出来があったとしても(絶頂期の1969年のライヴから選曲されたすばらしい『Get Yer Ya-Ya's Out』は優れた例外だ)続々とリリースされるストーンズのライヴ盤の中で、1982年リリースの本作は4作目に当たり、こののちバンドは長い休止期間に突入することになる。<p> アルバム『Tattoo You』をサポートするツアーから録音されているにもかかわらず、収録されたわずか10曲のストーンズのライブテイクのうち8曲が、初期のトラックか、お気に入りのロックやR&Bの新鮮味のないカバーのいずれかだ。これまでアーティストとしてのカムバックを1度(あるいは3度)果たしてきたストーンズだが、このライヴ盤ではしばばしば、懐メロバンドとなることに抵抗してもがいているように見える。(Jerry McCulley, Amazon.com))
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実はこの81年のツアーが、他人様の力を借りないで、自身をRollしていた最後のStonesの姿なのだ。俺が見て泣いたStill Wheels Tour(初来日)以降は、バッキング・ミュージシャンの力を借りた壮大なShowなのだ。このラフさこそが、Stonesなんだ!!
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Stonesメンバー総出演♪
本当に酒のアテとして最高のアルバムです。
ブギ。ジャンプ・ブルーズとは?ってのを手っ取り早く教えてくれます。
Stonesだけぢゃなく、P.J.ハーヴェイなんかもゲストで出てます。
そうなんだよね〜
この頃のどっちが弾いてるか分からないようなツインギターの絡みが好きでした。
ロニー頑張れよっ!
この映画高校の時当然ながら観にいきましたが、今回音が良くなっているの?
コメントありがとう♪
>この頃のどっちが弾いてるか分からないようなツインギターの絡み
うんうん♪
久々に映像見たけど、やっぱ分かんなかったw つーか、KeithのG.の音は曲によっては、かなり小さめで、殆ど聞き取れない事も改めて分かったりして(苦笑)
>今回音が良くなっているの?
えっとですね。
HDリマスター版なので、絵が圧倒的にキレイになってました♪
音は、東京の吉祥寺って街の単館で、爆音用にスピーカーセッティングをし直して、ライブハウスみたいに、スクリーンの横に、スピーカーをずらっと積み上げて、ライブハウスみたいな音を出すイベントだったので、他の映画館だと、普通の音になっちゃいます。
でも、画質は数ランクUPしたので、是非!あの頃の興奮を再び!!
って感じですよん♪